悪魔のいる教室
──な、何が起こったんだ!?


目を開くと視界が黒一面に覆いつくされてて、体を離そうにも肩にかかった重みがそれを許さない。

仕方なく顔だけ上を向けると──……怖い顔して向こうを見てる悪魔が、いた。


私の腕を引っ張ったのも、肩の重みも、正体は悪魔の手で。
つまり私は今、悪魔に肩を抱かれてる状態。

って言うか、悪魔の体に押しつけられてるって説明した方が正しい。


な……なんだコレ!!

『走れ』、そう言った張本人がそれを邪魔するとは一体全体どういうわけだ!!

ってか見てる!!
みんな見てる!!
ヤバいよ、バカップルって思われるよ!!

恥ずかしい!!

つーか力強すぎて体痛てぇ!!


わけわかんねぇと思いながらも、磁石みたいに密着してる距離にドキドキしてる自分がいた。


慌てる私の問い掛けを完璧無視して、流れる人混みを見つめ続ける悪魔。

見てるって言うより、思いっきり睨みつけてる。

自分が睨まれてるわけじゃないのに、その凶器眼の恐ろしさとバクバク煩い心臓に、危うく私が白目むいて倒れそうになった。


「……お前」


暫く経って小さく舌打ちを漏らした悪魔は、腕の力を少し弱め、口を開いた。

真剣な瞳。


ゴクリと生唾を飲み込んだ。
< 148 / 201 >

この作品をシェア

pagetop