悪魔のいる教室
「ぜってぇ1人で出歩くなよ」

「…………」

「学校では、なるべく教室にいろ」

「…………」

「知らねぇ奴とは口きくな」

「…………」


う、うん……あのさ?

とりあえず離れようゼ!!


心音の安定を求めるあまり、悪魔の言葉は耳から耳へと流れていく。

それでも構わず悪魔は話し続け、「わかったか」なんて威圧的な声で締めくくるもんだから、私は首を縦に降るしかなかった。


「ひなたちゃん愛されてるッスねぇ」


ヤスくんの呑気な声が聞こえてきて、心底恥ずかしくなった。





──結局、帰る相手がいない孤独な女になってしまった私は流れ的に悪魔と帰る事になり、ヤスくん達と校門前で別れた。


教室に鞄置きっぱで手ぶらの悪魔は、紳士的に私の鞄を持ってくれたり──するはずもなく。

あの夜の帰り道みたいに無表情で足を進めるだけだった。


一緒に帰るっつったって駅までだろうと思ってた私は、途中で公園に入った悪魔に驚き、さらにそこに原チャリが停めてあったもんだからもっと驚いた。


原チャリ持ってたんかい!


悪魔は慣れた様子で原チャリにまたがると、「後ろ乗れ」と促してきた。


でも──
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