悪魔のいる教室
「……怖い」

「あ?」

「この乗り物……怖い」

「あぁ?」

「スピード速いし……」

「怖くねぇ。早くしろ」

「こ、怖いし!」


脳裏に過るのは、以前体験したタツ兄スピード狂の恐怖。

『次の瞬間事故るんじゃねぇか』って半泣きしてた、あの忌まわしい記憶……。


思い出すだけで、足が地面に沈んでいくみたいに重く不安定になっていく。


すると悪魔は原チャリから腰を上げた。

私の頭に黒いヘルメットを被せ、少し強引に腕を引く。

悪魔がしようとしてる事を即座に察知した私は必死に抵抗した。


「ちょっ……やだってば!」

「うるせぇ」

「わ、私、歩いて帰るっ!」

「ふざけんな」

「無理! 本気で無理!」

「黙れ」

「やだぁぁ!」

「黙れや」

「乗りたくねぇっつってんじゃん! この悪魔ぁぁっ!」

「……んだと?」


──ゲッ!!
ヤバッ、つい口が……!!


悪魔の眉間に深く皺が寄ったのを見て、さすがに“悪魔”はヤバかったなと思った。

しかし今さら引き下がるわけにもいかない。
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