悪魔のいる教室
そー……っと。


糸の上を歩くように、一歩一歩慎重に進んでいく。



ギシ、ギシ、ギシ。


軋む床。



もしここで悪魔がこっちに気づいたら、私って怪しい人確定……だよな。


ヤバイ。

冷や汗出てきた。



「…………」



机の横につるしてるシューズ袋に、ゆっくりと手をかける。


チラリと隣を見た。


遠くからじゃわからなかったけど、ピアスだらけの耳にイヤホンがついていた。

しかも、あれは周りの雑音が完璧に遮断されるやつ。



「……ふぅ〜……」



ホッと胸を撫で下ろし、教室を後にした。
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