悪魔のいる教室
出発直後こそ悪魔にしがみついていた私だけど、1分も経つと恐怖心は無くなっていた。
と言うのも、走行スピードが自転車と変わんないくらいだったから。
それはもう、この私さえ『遅すぎだろ!』とツッコミたくなるくらい。
けど、言えなかった。
だってわかってたから。
私の為にそうしてくれてんだって。
しかも、私は顔が隠れてるけどヘルメットを貸してくれた悪魔は……超恥ずかしい思いをしてんじゃないだろうか。
そう思うと、とてもじゃないけど『遅すぎ』なんて言えなかった。
移動中に悪魔と交わした言葉といえば、家までの道案内くらい。
それでも、原チャリに乗ったまま、まともに言葉を発せたというのは私からしたら大股10歩分くらいの進歩で。
立ち乗りして『ひゃっほー』なんて言える日もそう遠くねぇんじゃねぇかと思った。
無理やり乗せられたのには腹が立ったけど、結果的には悪魔に感謝するべきなのかもしれない。
そう考えると悔しい気持ちになったけど、ちょっぴり嬉しかった。
私は悪魔に甘いのかもしれない。
だって悪魔が私を気遣ってくれる度に、大抵の事は許してしまうような気がする。
けどそれは悪魔も同じで。
悪魔がそんな風に私の事を考えてくれてるから、私もどうにかしてそれを返そうとしてんのかもしれない。
でも別に『そうしなきゃ』って意識してるわけじゃない。
自然にそうなってる感じ。
なんか……こういう関係っていいな、と思った。
と言うのも、走行スピードが自転車と変わんないくらいだったから。
それはもう、この私さえ『遅すぎだろ!』とツッコミたくなるくらい。
けど、言えなかった。
だってわかってたから。
私の為にそうしてくれてんだって。
しかも、私は顔が隠れてるけどヘルメットを貸してくれた悪魔は……超恥ずかしい思いをしてんじゃないだろうか。
そう思うと、とてもじゃないけど『遅すぎ』なんて言えなかった。
移動中に悪魔と交わした言葉といえば、家までの道案内くらい。
それでも、原チャリに乗ったまま、まともに言葉を発せたというのは私からしたら大股10歩分くらいの進歩で。
立ち乗りして『ひゃっほー』なんて言える日もそう遠くねぇんじゃねぇかと思った。
無理やり乗せられたのには腹が立ったけど、結果的には悪魔に感謝するべきなのかもしれない。
そう考えると悔しい気持ちになったけど、ちょっぴり嬉しかった。
私は悪魔に甘いのかもしれない。
だって悪魔が私を気遣ってくれる度に、大抵の事は許してしまうような気がする。
けどそれは悪魔も同じで。
悪魔がそんな風に私の事を考えてくれてるから、私もどうにかしてそれを返そうとしてんのかもしれない。
でも別に『そうしなきゃ』って意識してるわけじゃない。
自然にそうなってる感じ。
なんか……こういう関係っていいな、と思った。