悪魔のいる教室
「危ないよ?」

「あんなザコ、集団じゃなきゃ大した事ねぇ」


そう言い捨てゆっくり立ち上がった悪魔は、『帰る』と告げた。


さすがにケガだらけの悪魔を1人で帰らせるわけにもいかないと、タツ兄は『原付で送ってく』と呼び止めた。


3ケツは警察に捕まるからいつも通り電車で帰る事にした私にタツ兄は『ごめんな』謝り、『また遊び来いよ』と言ってくれた。





次の日。
悪魔は学校を休んだ。


ずっと気になってたあのコンビニ袋を、私は今日こそ処分した。

捨てる直前、なんだかもったいない気がして『賞味期限切れてないやつは食べていいかな?』なんて思い留まったけど、なんとかニンゲンのプライドを守った。


『佐久間が昨日ボコられた』って休み時間の度に言い触らしてた情報通な小林くん。

例の3年に聞いたんだろうか。

上機嫌な小林くんは昨日悪魔に殴られた事を先生には言ってないみたいで、私は少しホッとした。


数学の時間は、『佐久間は休みかぁ』とタケティーが残念そうにしてて、『この人どんだけ悪魔の事が好きなんだよ』と思ってしまった。



そして。

タケティーが愛する悪魔が学校に来たのはその2日後、時間割に数学がない木曜の事だった。
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