悪魔のいる教室
それは突然だった。


浮かれてバットも構えてもいなかった私に、悪魔は鋭いストレートを放った。

“変化球で様子見”なんて回りくどい事は一切しない。


いや、今さら様子見する必要もなかったんだ。

悪魔は今までずっと、様子見してた。


ちゃんと気づいてた。

私なんかが思ってた以上に。


「……なんで?」


そう言うのが精一杯で。


まさか今、こんな話になるなんて全然想像もしてなかったし。

悪魔が私をそういう風に見てたなんて全然気づかなかった。


ここまでハッキリ言われると、準備してた台詞も全部ぶっ飛んで、ただ困惑する事しかできない。


「最近ずっと、態度悪りぃ。あいつにだけ」
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