秘宝-戦い-第Ⅰ幕
俺が迷っていると、ユカが口を開いた。
「あなたは国王の憎んでいるの?」
「…えぇ。とても」
つっ…
俺は…憎まれている人間なんだ…。
「それは間違ってる。国王を憎んではいけない」
「えっ?」
きっぱりとしたユカの口調にうつむいていたアズミが顔を上げる。
「国王はきっと、手紙を読んでない」
「なんで分かるの?!」
「…今の国王を私は知ってる。…彼は、人を見捨てるようなことはしない。それに、彼は国を立て直そうと懸命に戦っているわ」
長い沈黙が支配する。
ユカは俺を見て、にっこり笑った。
俺は軽く頷き、話し出した。
「アルドリアンの国に手紙は来ていない。ここ20年の間に来た手紙は宮殿の近くに住む者からの田畑の報告ばかりだ。わたしはそれを宮殿の書斎で確認している」
「宮殿の…書斎?」
「アルドリアン王国の国王は………わたしだ」
「「え?」」
アズミとヒュウガが驚き、立ちつくす。
「彼は…アレンは正真正銘のアルドリアン王国の国王よ」
「なんでっ…なんで手紙が行ってないのよ!?」
アレンに詰め寄る、アズミ。
「宮殿の中に…裏切り者が居る」
俺はそう言って、ハッと気づいた。
あの時…
あの時、宮殿の人々の態度がおかしかった…
まさか、アイツが?!
…いや、そんなはずはない。