泡姫物語
最寄り駅から2駅のところに小さいけど地元の人には恋愛の神様として有名な神社がある。
こざっぱりとしていて、よくある地域の神社という感じなのだが絵馬だけは掛けるスペースがないほど沢山願掛けられている。
もともと神社の近くにある女子校の生徒が好きな人と両思いになれると噂をしたのがきっかけだと耳にしたが定かではないらしい。
私たちはもともと占いや願掛けに頼ることをあまり好まない。
未来は自分の手で切り開くものだと思っているから。
だけど、恋が私たちをそうさせたのか、愛子がそう誘ってくれたのに対して嫌がるどころか乗り気だった。
すぐに準備をして神社へ向かうと女子高生が絵馬を買ってすぐに横の台の上で一生懸命に何かを書いていた。
そんな可愛らしい姿に自分を重ね合わせてしまい、なんだか照れてしまった。