あの時に戻れたら【短編】
玄関からお母さんと渉が出て来た。お母さんは綺麗な格好をして、渉は学生服でボタンを上までキッチリ上げていつもと違う感じだった。
「お父さーん、加奈子が帰って来たらご飯、レンジの中って教えてあげてねぇ!」
「わかったぁ、渉、ビシッと決めてこいよ!!」
「あーい。行ってきます!」
あっ学校見学だ。まだ渉は中学の制服だし、お母さんのフォーマルスーツ、今から学校見学に行くとこなんだ…。じゃあ、これはお父さんが死ぬ3ヶ月前ってとこね…。
お母さんが玄関を開けてる隙に私は家に入った。
いつもの家…ただ、玄関にはお父さんの靴が置いてある。お母さんはお父さんが死んだ次の日に「思い出すと辛いから」って靴をクローゼットの奥にしまい込んでいた。
「お父さん…」
「お父さーん、加奈子が帰って来たらご飯、レンジの中って教えてあげてねぇ!」
「わかったぁ、渉、ビシッと決めてこいよ!!」
「あーい。行ってきます!」
あっ学校見学だ。まだ渉は中学の制服だし、お母さんのフォーマルスーツ、今から学校見学に行くとこなんだ…。じゃあ、これはお父さんが死ぬ3ヶ月前ってとこね…。
お母さんが玄関を開けてる隙に私は家に入った。
いつもの家…ただ、玄関にはお父さんの靴が置いてある。お母さんはお父さんが死んだ次の日に「思い出すと辛いから」って靴をクローゼットの奥にしまい込んでいた。
「お父さん…」