あの時に戻れたら【短編】
お父さんには私が見えてるんだ…。お父さん…お父さん…久しぶりに見るお父さん。私は嬉しくて嬉しくて涙が零れそうになった。


「ただいまぁ〜」


………。


ハッ!!!
私の声!?そうだ、渉の学校見学の前の日、私は中学の同窓会で朝まで遊んで友達の家に泊まったから、今帰って来たんだ!!


慌てて隠れようとする私に対して、お父さんの反応はもっと慌てていた。


「お父さんごめんね!昨日は遊び過ぎちゃって、帰りが今になっちゃいました!!」


お父さんはソファーから半分転げ落ちそうになりながら、私ともう1人の私を見比べていた。

「加奈子……?」



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