あの時に戻れたら【短編】
すると、私の頭の中の記憶が一気に修正される。私はこの日、お父さんに朝から怒られたはずだった。なのに頭の中の記憶が、一気にお父さんのたまげたひょうきんな顔になった。



何…この感覚。そうだ…過去を今私が変えてるから記憶まで修正されていってるんだ…。


「お父さん、怒らないの!?」


「あ…あぁ…いや…イカン!朝帰りはダメだけど…どっちが加奈子だ!?」


「えっ!?どっちって私は1人だし。さっきから何キョロキョロ壁見てるの?怖いんだけど…お化け?」


「加奈子…見えないのか?……生き霊か?」


「もぉ!!お父さん気持ち悪い事言わないで!怖くなって来ちゃったよ。」



私の方を見たお父さんに私は人差し指を立てて「シーッ…」とやって黙らせた。




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