あの時に戻れたら【短編】
「病院行こ!!」





お父さんに私は他人には見えないから、外では話し掛けないように言うとお父さんは「なんか変だな」って笑った。急いで病院に行くとお父さんは小さな声で「何だよ…どんな病気だよ…」って待合室で仕切にきくけど、私は答えられなかった。


「笹木学さーん」

お父さんは緊張してるのか、席を立つと財布も診察券も全部椅子に忘れて歩き出した。


「お父さん。忘れ物!」


振り返りながら「あぁ…悪い悪い」って言って戻って来るから、私は「シッ!」ってお父さんを睨んだ。「あぁ…話しかけないようにな…」……もぉ、完璧お父さん独り言になってる。周りの人が横目にチラチラ見てるし…。だから話し掛けるなって言ったのに!!



診察室に入ると先生に「どうされましたか?」と聞かれてお父さんは戸惑っていた。



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