迷子のコイ
「・・・大丈夫か?」
騒ぎのあった廊下から、
下の階へと連れ出してくれた佐伯くんは
あたしにそう聞いた。
「・・・うん・・・」
あたしは佐伯くんに
『友達のカレをとる女』だって
思われてるかもしれないと思って
カレの顔が見れなかった。
『イジメられてること』も
カレにバレてしまったと思ったら
はずかしくて はずかしくて
顔から火が出そうだった。
「・・・気にすんなよ」
あたまの上から聞こえるカレの声に
あたしは何も言わず
うつむいたまま・・・
「ごめんねっ アリガトっ。
あたし・・・教室戻るねっ」
これ以上は恥ずかしくて
カレのそばに
いられなかったあたしは
カレの手を離して
4Fへの階段を駆けのぼった。
騒ぎのあった廊下から、
下の階へと連れ出してくれた佐伯くんは
あたしにそう聞いた。
「・・・うん・・・」
あたしは佐伯くんに
『友達のカレをとる女』だって
思われてるかもしれないと思って
カレの顔が見れなかった。
『イジメられてること』も
カレにバレてしまったと思ったら
はずかしくて はずかしくて
顔から火が出そうだった。
「・・・気にすんなよ」
あたまの上から聞こえるカレの声に
あたしは何も言わず
うつむいたまま・・・
「ごめんねっ アリガトっ。
あたし・・・教室戻るねっ」
これ以上は恥ずかしくて
カレのそばに
いられなかったあたしは
カレの手を離して
4Fへの階段を駆けのぼった。