鬼畜王子の飼育方法
じとっと志季を睨むと、私の視線に気づいたのか、志季の瞳が私を捕らえた。
……う。
不覚、だ。
一瞬、ドキッとしてしまったじゃないか。
ムカつく…志季のくせに。
慌てて視線を反らすと、
「相沢」
それを追いかけるかのように、志季が私の名前を呼んだ。
未だに慣れない呼ばれ方に、少しだけ緊張してかまえてしまう。
「何ですか?」
「明日、バイト入ってるっけ?」
「入ってますけど」
「じゃあ、放課後ちょっとつきあえる?店長に買い出し頼まれてるんだよ」
「…はぁ。べつに、いいですけど」
買い出しくらい一人で行けよ!
と言いたいところだけど、断れば後が怖いのでとりあえず従っておくことにした。