鬼畜王子の飼育方法


「さっきから何変なこと言ってんのよぉ?いつもの志季先輩でしょ」


前を歩いていた夏生が、振り返って口を挟む。


夏生よ、君は志季の何を知っているのだ。



そんなとき。

私の脳裏に、ひとつの仮説が浮かび上がった。



もしかして……

志季……



「…二重人格?」



だって、もはや別人。

私はこんな志季は知りません。
赤の他人です。

や、元から他人同士だったけど。



「…相沢、」


ニコニコ笑顔のまま、志季が口を開く。

そして、私の耳元で小さく囁いたのだった。








「それ以上言ったら殺す」











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