時を越えて君に
しばらくして、少し古ぼけた図書館に着いた。




ちなみに、『古ぼけた』と言っても、この図書館は捨てたものじゃない。



冷暖房完備。



まさに天国だ。




湊は駐輪場に自転車をとめ、足早に図書館内に向かった。



もちろん、早くこの暑さから解放されたいがためだ。



人間は目的ができると驚くほど早く動けるらしい。





…今の湊のように。




図書館内は本当に天国のようだった。



冷房のよく効いた環境。


これほどまでに素晴らしいものだとは、湊は思ってなかった。




(やっぱり我慢はよくないな…)




湊は、直に肌身に感じてそう思っていた。
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