妹なんていらない
「あはは!

高橋くんが恥ずかしがってる〜」



俺の心の声が聞こえてはいないが、ほぼ間違いなく俺の言いたいことはわかっているだろうにそんなことを言う。


恥ずかしがってる?

何故俺が。



「あのな…」



「ああ、写真ならいくらでもどーぞ。

ただし、一枚あたり諭吉がとびまーす」




諭吉、と言うのは一万円のことだろう。



たった一枚の水着写真に一万円。


ぼったくりもいいとこだ。




「売れねえ商売はしないほうがいいと思うぞ」



「………はあ?

言っとくけどぉ、校内にいる私のファンクラブ連中は喜んで出すわよ?」



「…ファンクラブ?」



「あるんだってさ、非公式に。

マジで馬鹿な連中だよね〜。
ほとんど犯罪者予備軍?
身の程をわきまえろっての〜、あはは!」




そう言って楽しそうに笑う雨宮。



ほんと、こいつは人を見下すときは本当に楽しそうに笑いやがる。
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