妹なんていらない
「お前はいい詐欺師になるよ…」



「そうかなぁ?

じゃあ、被害者一号は高橋くんってことで」




マジで騙されそうで怖い。


たとえどんなに警戒しても世の中の連中の大半は騙される気がする。




「まあ、高橋くんなら騙されたって笑って許してくれそうだしね〜」




そんなつもりはない。


騙されたらまず弁護士を雇おう。



そして声を大にして叫ぶ、やつは悪魔だ、って。



「まあ、そのときはそのときってことで………


って美波おそーい。

あんまり遅いから自分のあまりに貧相な体を見せたくないのかと思っちゃった〜」



「黙れゴミ虫」




心底めんどくさそうに美波はやってきた。



長い髪を後ろでひとくくりにし、なんだかんだでおニューの水着姿であった。

(正確に言うと、千鶴に無理矢理デパートに連れて行かれて買わされたのだ)
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