妹なんていらない
「い、いいい言ったら殺す…」




ダイビングした体勢のまま、美波は妙に震える声でそんな物騒なことを言う。



もちろん、それを聞いた雨宮はニヤッと口の端をつり上げるわけだ。



何か企んでるらしい。



何だろうか?


美波が嫌がることなのはたしかなのだが。




「わあ、こわーい。

怖くてなにか言っちゃいそ〜」



「ほ、ほほほんきだからね…

言ったらハルマゲドンよ…

世紀末だからね…

世界の危機だからね…」



「ますますこわーい。

私死んじゃうのかなー?

このまま世界が終わる前に未練はなくしときたいなー」



「さっさと死ねばいいのに…」



「美波は泳げないの」




「いやああああぁぁぁーーー!!!!!!」




美波は頭を抱えて叫んだ。
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