妹なんていらない
「………先輩」



「ん?」



「ありがとうございます!

私、元気出ました!」




そう言って千鶴は俺の腕にしがみついた。



っていやいや。


この格好はいかがなものだろうか。


千鶴は正直中学一年生くらいに見える容姿。


俺は多分、高三くらいに見られるだろう。



中一と高三。


中一の女の子が高三の男の腕にしがみついている。





………世間的にまずくないか?



「先輩?

どうかしましたか?」



「いや、何でもない…」



「そうですか?

なら、いいですけど。




………それじゃあ先輩、私、弟のお見舞いに行ってきます!」



ビシッと敬礼し、屈託のない笑みを見せる千鶴。


ふいに、かわいい、と思うのは自然な感情であって、断じて俺はロリコンではない。





………絶対に。
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