妹なんていらない
「ああ、気をつけて行ってこい」



「はい!」




千鶴は元気いっぱいの返事をすると、タタタッと駆け出した。



すると、千鶴は数メートル走ったところで何かを思い出したかのように立ち止まり、振り返って言った。




「先輩、楽しみにしてて下さい!

またあとで!」



「ああ。

またあと………で?」



またあとで?


なんだそりゃ?



千鶴とまたあとで………


またあとで………




ダメだ、思いつかん。



俺、約束か何かしたか?



いや、してないだろ。


してない。


絶対してない。
< 204 / 317 >

この作品をシェア

pagetop