必要性
「ん。」
だが、この私の彼だ。こんなの想定の範囲内だったらしい。
「いやいやいやいや!私たちまだ清い関係よね?」
「んー。琶乃の“清い”の範囲がどれくらいかは知らないけど、俺的にはもう淫らな関係?」
「ちょっ…!どこ触ってんの!?」
「んー?おしりー」
「ちーがーくーてー!!」
「なに?俺的にはもうこのまま一つになっても構わないぐらいなんだよ?だけど琶乃、初めてだからお風呂から始めようと思ったのに…琶乃は一気にイヤらしい関係になりたかったんだね!」
激しく勘違いな男は、着々と私の紺地の浴衣に合わせた朱色の帯をほどき始めた。