先生なんかじゃない
でも結局いつものように体育館に遊びに来られれば
事実はどうであっても、嬉しい気持ちは抑えられなくて。
「彩夏は剛の後ろに行くと全然見えなくなるよな。小さすぎ」
「放っといて!」
「吏惟はオレら以上に彩夏ちゃんと遊ぶの好きだよな〜」
「だって面白れーもん」
たとえ私が吏惟くんにとって、おもちゃみたいな存在だったとしても、単なるからかいだったとしても
ポンと頭を叩きながら、笑顔を向けてもらえると浮かれちゃうから。
「彩夏はさ、付き合ってる奴とかいねーの?」
「いませんけど!悪い?」
「いや、見たまんまやっぱり子供だったのかと」
「なにそれー!もぉ!」
こうやって手を取りながら戯れ合ってるだけで、自分の気持ちを思い知らされちゃうんだ。
「喜んでんだよ。このまましつこく迫ってれば、いつかは彩夏もオレに落ちてくれるんだろうなって」
そしてそのたびに、自分の立場が悲しくなるんだよ。
私だって先生なんかじゃなかったら、こんなに悩まないのにって。