先生なんかじゃない
軽く落ち込みながら、トボトボと歩いていく夕暮れの廊下。
職員室の扉までやってくると、階段の陰から一人の女子生徒が手招きをしてた。
「彩夏ちゃん!こっちこっち!」
「杉原さん?」
吏惟くんと同じ、三年D組の杉原ユキノさん。
いつも体育館にやってくるあの男子生徒の中に、たまに混ざってる。
そして私に、化粧品を借りに来たりもする、かなりの度胸者だ。
「もしかして、これから遊びに行くからってお化粧直し?」
「違うってば〜。今日は相談!」
「相談?」
誰もいなくなった二階の渡り廊下。
ソワソワする杉原さんに、私までなんだか落ち着かない。
「杉原さん…、私お勉強は苦手だからね?」
「違うよ!そんなの見れば分かる」
ちょっと、それどういう意味。
「それじゃあ一体なに?」
「吏惟のこと聞いて欲しいの!恋愛相談!」
ドクン…