先生なんかじゃない
吏惟くんが私をじっと見て。
そんな表情にも、私の心音はどんどん早くなる。
苦しくて、たまらない…
吏惟くん…
「彩夏、オレ言ったよな。困るなら、迷惑かけてるなら、ちゃんと言えって言ったよな」
「……」
私は…
「おい梶尾、お前教師に向かってどういう態度とってるんだ!」
嶋田先生が怒鳴ると、吏惟くんはキッと睨みつけながらポケットに手を入れた。
そしてそのまま、体を反転させて長い廊下を何も言わずに戻っていく。
吏惟くん…
ガンッ!!
びくっ
教室側の壁を蹴り上げた吏惟くんの後ろ姿。
なんだか見てるのも辛くて、また勝手に涙がにじんだ。