先生なんかじゃない



「厳しいこと言うつもりはないですけど、教師の態度は時に生徒を迷わせますから。篠原先生も、あいつらのためにハッキリ言った方がいいんですよ」


「はい…、そうですね」



嶋田先生は優しく言ってくれた。

生徒のことを思って、ちゃんとした態度を取るのが教師の役目。

自分の個人的な感情に揺らされてるんじゃ、まだまだダメなんだよね。





放課後の体育準備室。

今日使った器具を整理して帰るのは、下っ端の私の仕事。

少しの埃と薄暗くなる部屋の中で、私は一人背伸びをしながら後片付けを進めてた。



「よし、終わり!ふぅ〜…じゃ、帰ろかな」


「彩夏」


「え……、ぅっ!?」



突然誰かに包み込まれる。

吏惟くん…だよね?この声。

でも、後ろから抱きしめられてて振り返れない。



「梶尾くん…、あの…、ふぁっ!」



くるっと回されて、今度は正面からになっちゃった…



「梶尾くん」


「嫌なら今すぐ突き放せ」



え……




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