先生なんかじゃない
体中から、体温とドキドキが伝わってくる。
吏惟くんの温度。
吏惟くんの気持ち。
「彩夏、嫌じゃないよな。オレといる時、いつも楽しそうにしてるもんな。……だから言えよ。オレのこと、好きだって言えよ」
「……ぅ、梶尾くん」
ドクン、ドクン
好きって…?
吏惟くんのことが好きって?
言いたいよ、私だって言えるなら吏惟くんに好きだって言いたいよ。
でもダメだもん。
私、私は……
教師の態度は
時に生徒を迷わせますから
私は先生だもん。
「な、何言ってんの。私は先生だよ?そうやってからかわれると、困っちゃうんだよね」
「彩夏…」
「おかしいでしょ?梶尾くんカッコイイんだからさ、こんな年上相手にしなくても」
「違うだろっ!」
「…っ」
「お前がオレをガキ扱いしてるだけだろ。…オレはお前のこと、先生だとか年上だとか、そんなこと一度も思ったことねーぞ」
さっきよりずっと強く抱きしめる。
吏惟くん…
どうして私、先生なんかになっちゃったんだろう。