先生なんかじゃない
一歩ずつ近づいて、そっと近くの手すりに触れた。
でもさすがに、吏惟くんの方は見れなくて。
少し錆び付いた鉄のパイプを伝って
ドキドキと一緒に、私が迷ってる気持ちとかも伝わったらいいのに。
私の今の立場じゃ、どれも直接言葉に出しては言えないから。
「相談…のるけど…」
「……」
私がそう言うと、吏惟くんは何も言わずに私を見下ろした。
変に思ってる?
当然だよね。
だって私のことでそうなってるんでしょ?
それなのに、私がこんなこと聞いてどうするって話…
「進路迷ってるんだよね〜…オレ。でも彩夏に相談してもなぁ」
「え?あ…えぇ??」
な…悩んでることってそれなの⁈
複雑な顔で私を見ながら頬杖をつく吏惟くん。
やだ…、恥ずかしっ
たしかに私に進路のこと相談されても、困るかもしれないけど…それ??
「あの…進路って…」
「この先どうすれば受け入れてもらえるのかわからなくてさ。恋の進路に悩んでんだけど、彩夏ってそういうの得意なの?」
あ…
そうきたんだ……