先生なんかじゃない
私が黙って眉を落とすと、吏惟くんはフッと笑って校庭の向こう側を眺めた。
そんな横顔に、また惹かれてく。
「オレさ、手の届かない相手を好きになっちゃったんだよねー。立場的にも問題ありで、しかも年上で。
まぁそんなことオレには関係ないんだけど、相手にはいろいろあるらしくてさ。
もう少し早く生まれてたらなーとかも思ったけど、それじゃあ出逢えてなかっただろ?こんな関係だからこそ、ここで一緒な時間を過ごせることになったんだから」
「……うん」
私がうなづくと
吏惟くんは少し驚いた。
そして私も自分で驚いた。
思わず…
そう、だって同じだと思ったんだもん。
もう少し後に生まれてたら良かったのかなとか、でもそれだと逢えてなかったしなとか。
「……彩夏も悩みあるなら、オレ相談乗るけど?」
覗き込むように見つめられる瞳。
もぅー…、我慢が辛いじゃん。
私が考え込むと、吏惟くんはふんわりといつものように頭を撫でてくれた。