先生なんかじゃない



私が黙って眉を落とすと、吏惟くんはフッと笑って校庭の向こう側を眺めた。

そんな横顔に、また惹かれてく。



「オレさ、手の届かない相手を好きになっちゃったんだよねー。立場的にも問題ありで、しかも年上で。
まぁそんなことオレには関係ないんだけど、相手にはいろいろあるらしくてさ。

もう少し早く生まれてたらなーとかも思ったけど、それじゃあ出逢えてなかっただろ?こんな関係だからこそ、ここで一緒な時間を過ごせることになったんだから」


「……うん」



私がうなづくと
吏惟くんは少し驚いた。

そして私も自分で驚いた。



思わず…

そう、だって同じだと思ったんだもん。

もう少し後に生まれてたら良かったのかなとか、でもそれだと逢えてなかったしなとか。



「……彩夏も悩みあるなら、オレ相談乗るけど?」



覗き込むように見つめられる瞳。

もぅー…、我慢が辛いじゃん。



私が考え込むと、吏惟くんはふんわりといつものように頭を撫でてくれた。




< 25 / 30 >

この作品をシェア

pagetop