先生なんかじゃない
お昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴っても、私と吏惟くんはその場所を離れなかった。
ダメだよね…、わかってる。
先生ならちゃんと、生徒を授業に出させないといけないって。
でも、ここにいたいんだもん…
「彩夏?」
「私…私は…」
この気持ち、どうしたらいいかな。
答えなんて見つけられなくて、相談に乗ってって言われても、たいしたことも伝えてあげられなくて。
私ね、私…
「全然、先生なんかじゃないの…」
導く立場?
そんなの関係ないよ。
好きになっちゃったら、みんな自分らしくなんていれなくなるんだもん。
だから、ただ迷うばっかりで…
「彩夏もオレらと変わんねーな」
優しく笑ってくれる吏惟くんに、もう我慢なんてできない。
もう…
「…どうしよう」
「だから好きって言っちゃえば?」
「えっ…」
私の頭にのせていた吏惟くんの手が、スッと頬までおりてきて
視線を合わせることも困難だった私の全部は、大きな心臓になって暴れてる。
ドキドキドキドキ…
そんなこと、言われても…