先生なんかじゃない
「たぶん彩夏の悩みってさー、それで解決しちゃう気もするんだけど…、違う?」
ん?って覗き込まれれば、見ようとしなくても顔は近づく。
「吏惟くん…」
「おぉ!下の名前かよ」
ドキっ!
わ、ほんとだ!
つい心の声が…
目の前ではさっきまで落ち込んでるみたいだった吏惟くんが、ちょっと嬉しそうに舞い上がってて。
私は私で、やってしまったと恥ずかしくて…
「あのっ、違うくて!これは…」
「オレ答え見つけたわ」
「へ?」
そう返す間もないうちに、吏惟くんは私の頭をぎゅっと抱えた。
埋まった視界。
吏惟くんの匂い。
伝わる心音。
「…今ので十分力もらったからさ。彩夏がそう呼んでくれるなら、オレ卒業まで待てると思う」
吏惟くん…
ずっと胸から響いてくる吏惟くんの声が、ドキドキと重なって心地よくなってくる。
吏惟くん…好き。
言えないけど、私も好きなの。