先生なんかじゃない
少し屈んで私の顔を覗き込む。
ぐっと近づいた距離に、思わず視線が合わせられなくなった。
「だ、大丈夫だよ。ちょっと助言してもらっただけだから」
「ふーん、そっか。でもオレらが迷惑かけてるなら、ちゃんと言えよ」
そう言ってまた頭を撫でてくる。
でもそれって、もう体育館に遊びにきちゃダメってことみたいで…
「別に授業さぼらなくたって、こうやって放課後になれば普通に彩夏のとこ来れるしさ」
「……」
真っすぐな目。
ドキドキ…ドキドキ…
そんなこと言われると、やっぱりなんだか期待しちゃう。
勘違いしちゃう。
もしかしてそれって、私を好きとかそういうことなのかなって……
ううん、そんなこと!
あるわけないんだけど…
「それに体育の時は、可愛いブカブカジャージの彩夏見れて面白いしな」
「ちょっと!」
また右手を上げる振りをすると、吏惟くんは私の腕を掴んで真剣にこっちを見て来た。
そんなふうに見られたら、
私、困っちゃうよ…
「お前、本気だと思ってねーだろ」