俺様!何様?執事サマ!?
爽が私のネクタイもほどいて、櫂に差し出す。
櫂が受けとると、
「……………あー、まあ……いろいろ、サンキューな………櫂」
照れながら、お礼言って、名前呼んで。
「ははっ…爽かーわえーえ」
「………もう帰れ、死ね」
「照れんなやー」
「照れてねぇ!」
櫂にからかわれて、また頭たたいた。
………付きあいはじめのカップルですか、あなたたち。
ちょっと櫂に嫉妬して、うつむいて頬をふくらますと、それに気づいた櫂が笑った。
「愛ちゃんもかわえーなぁ♪」
「な……っ!!」
顔をあげると、櫂の笑顔。
むに、と私の頬を痛くない程度につねる。
「爽のことだーいすきな愛ちゃんが、俺は大好きやで」
手を離して、背筋を伸ばした。
「だから、幸せになりぃや」
そして、櫂は「またなー」と手をふって歩き出した。