許嫁
「あぁ、おしいことしたなぁ」


「どうせ、勝てなかったんだからいいじゃない」


そう、鎧を着けたままではきっと彼らに一太刀も入れることができなかっただろう。


「そうじゃなくて、彼、サンティスって言うんだって」


「姉さんが恋とはねぇ」


からかうように言う。


「あんただって、人のこと言えないでしょ」


「それもそうね」


お互いにもう会うこともない初恋に肩をすくめた。
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