粛清者-新撰組暗殺録-
「あの娘…へへ…いい尻してるよなあ…」

銚子の酒を直接口に流し込みながら三十郎が言う。

「あの尻を鷲掴みにしてよお…後ろからヒイヒイ言わせてえよなあ…なあ斎藤?」

「……」

何も言わないまま、斎藤は猪口を口に運んでいる。

「へっへっへっ…乳も結構でかくてよぉ…あの女と毎晩乳繰り合ってんのかあ…全く羨ましいぜ、てめぇはよぉっ!」

悪酔いして斎藤の背中をバンバンと叩く三十郎。

…いよいよ斎藤は我慢できず。

「親父、金はここに置くぞ」

席を立って店を出て行く。

何故だが三十郎の話を聞いているのは我慢がならなかった。

いつもならば、それでも軽く聞き流す事ができたのに、今夜の話だけは聞くに堪えない。

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