粛清者-新撰組暗殺録-
「よぉ、待てよ斎藤!」
彼を追って、三十郎がヨタヨタと歩いてきた。
斎藤は聞く耳持たず、近くの石段を少し早足で登っていくが…。
「待てってんだよ!」
三十郎は遂に怒って携えていた槍の穂先を斎藤の背中に向けた!
「貴様ぁっ!先輩隊士の言う事が聞けぬのかっ?」
「……」
斎藤はゆっくりと肩越しに三十郎の顔を見る。
「…何だその眼は」
三十郎は石段を駆け上がり、踊り場で斎藤と睨み合った。
「年若の小僧が、そんな眼を向けていいと思っているのか?」
…斎藤は口も開かないまま、三十郎を睨んでいた。
その態度が三十郎はますます気に入らない。
「この小僧がぁぁぁっ!」
カッとなった三十郎の槍の穂先が、斎藤の右の頬を掠めた!
…彼の頬を真っ赤な血が伝う。
「小僧…貴様新撰組随一の使い手などと言われて、少々いい気になってはおらぬか?その傲慢な鼻っ柱、この新撰組七番隊組長、谷三十郎がへし折ってくれようか?」
酒が入っている事もあって、三十郎は正義の味方気取りで大見得をきる。
と。
「あー…いかんな…」
彼を追って、三十郎がヨタヨタと歩いてきた。
斎藤は聞く耳持たず、近くの石段を少し早足で登っていくが…。
「待てってんだよ!」
三十郎は遂に怒って携えていた槍の穂先を斎藤の背中に向けた!
「貴様ぁっ!先輩隊士の言う事が聞けぬのかっ?」
「……」
斎藤はゆっくりと肩越しに三十郎の顔を見る。
「…何だその眼は」
三十郎は石段を駆け上がり、踊り場で斎藤と睨み合った。
「年若の小僧が、そんな眼を向けていいと思っているのか?」
…斎藤は口も開かないまま、三十郎を睨んでいた。
その態度が三十郎はますます気に入らない。
「この小僧がぁぁぁっ!」
カッとなった三十郎の槍の穂先が、斎藤の右の頬を掠めた!
…彼の頬を真っ赤な血が伝う。
「小僧…貴様新撰組随一の使い手などと言われて、少々いい気になってはおらぬか?その傲慢な鼻っ柱、この新撰組七番隊組長、谷三十郎がへし折ってくれようか?」
酒が入っている事もあって、三十郎は正義の味方気取りで大見得をきる。
と。
「あー…いかんな…」