粛清者-新撰組暗殺録-
池田屋の二階では、血飛沫舞う死闘が繰り広げられていた。

「ぎゃあっ!」

「ぐあっ!」

疾風の如き刃が二人の志士を斬り散らす。

刀を振るうのは永倉新八だった。

二階に続く階段では近藤が、一階の表入り口では斎藤と土方が同じように刀を振るう。

そして総司は。

「さぁ、次は誰ですか?」

血にまみれた刀を片手に、彼はゆっくりと後退する志士達に近づいていた。

…総司の息はかなり上がっている。

確かに長い時間闘っているというのはあるが、それにしても異常に呼吸が激しい。

(奴らしくないな…動きが悪くなっている)

闘いながらも永倉が総司に気をとられる。

と、その時!


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