粛清者-新撰組暗殺録-
第六幕
元治二年、年が明けていた。

「穏やかな新年ね…」

秩が白い息を吐きながら言う。

「こんなに穏やかなのに、動乱はまだ治まらないのね…」

「そうですね…倒幕派、佐幕派、勤皇派…全ての派閥の反りが合わない限り、この血で血を洗う動乱はいつまでも続くでしょう…」

「……」

秩は少し悲しくなって、総司の肩に頭を乗せる。

「大丈夫ですよ秩さん」

総司はクスッと笑った。

「新撰組一番隊組長の名にかけて、この動乱は必ず治めてみせます。それが亡くなられた秩さんのおじい様への供養にもなりますから…」

「沖田様…」

何故だか総司の事がたまらなく愛しくなり、秩は彼の胸に頬を寄せた。

二人だけの静かな時間が流れる…。

と、その時。

「二人とも仲が良いのね」

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