天上のワルツが聴こえる
「それは、彼女に与えられた最優先プログラムが、『ヒトとしての純血種の保護』だからだ」

「純血種の保護?」

「Pチ、君の記憶バンクにあるPプロジェクト発動当時の世界の惨状を、思いだしてみたまえ」

アンドロイドは、その、惨状というに足る状況を、つい先刻、サーチしたばかりだった。

戦争が続き、人々は己の躰を造りかえ、死の灰と酸の雨が降るようになった地球。

人々の心は病み、自分一人の力で生きて行くことが不可能となってしまった。

「だが、生物は生きようとするものだ」

フロレアル大佐は、続けた。
< 105 / 151 >

この作品をシェア

pagetop