最後に初めまして。
俺は死ぬのか…。
最後まで本当にツイてない人生だったな。

でも最後にアイツと出逢えたから良かったかもしれないな…。


『泣かないで…。』


またお前か?
何しに出て来るんだ。

お前は誰なんだ…。


「きみの名前は?」

『私?私の名前は…
サラだよ。あなたは?』

―― サラ? ――


「僕の名前は登。」

『登君ね。よろしく。』

「サラは猫が好き?」

『私は猫が大好き。だって…――。』


何故だって?
良く聞こえない…。


「なら僕動物のお医者さんになるよ。そして絶対にきみを…――。」

『本当に?待ってる。』


こんな事で将来の夢を決めていたのか…。

子供だったんだな。


『…泣いているの?』

『ママがいないから?』


分かったから止めてくれないかもう…。

昔の事は思い出したくないんだ…頼むから…。


『登君…泣かないで。』

―…登…目を覚まして。

『登…お願いだから。』


ピーッ・ピッ…ビーッ・ピッ…


「うっ…ど…こ?」

『登ぅぅーっ。…うっ…ぐすっ…よかっ…た。』


よみがえる意識の中で俺が見たものは泣きじゃくる古都の顔や目の赤いヒロの顔…訳の分からない機械の中で寝かされていた事だった。

俺はまだ生きていたのか?
そしてまた意識が途切れていった。
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