赤い糸の繋がる先
「…あ…」
俺はメールの着信音が鳴ると、暫くその携帯を制服のポケットから出しためらっていた。
「おっ!雄、藍華からメールじゃねーの?見てみたら?」
そんな俺をまた後押ししたのは義樹だった。
義樹は相変わらず愛想の良い笑みを浮かべると俺の携帯を指差し言った。
俺は義樹の言葉に頷き、プレゼントを受け取り開ける時のようにドキドキさせながら携帯の画面を開いた。
内容はと言うと…
『
やっほー♪
お久しぶりだね雄ー。
私も元気だよ?
今度三人で集まろうね!
その時は、ちゃんと教えてね?
』
俺はメールを見た瞬間、久しぶりの藍華とのメールで凄く新鮮さを感じた。
「何ニヤニヤしてんだよー雄気持ち悪い…ん?どれどれー」
俺は義樹に指摘され思わず画面から目を離し義樹を見る。
「…うるさい…なんだよ、見んなよ!」
俺は一言そう言うと携帯の画面を覗く義樹に嫌そうにしながら携帯の画面を閉じた。
「あー!…雄お前本当にケチだよなー」
義樹は携帯の画面を閉じた俺に不満そうに嫌みたらしく言うと、「まーいいけど」と付け加えるように言った。