さよならとその向こう側
目の前が真っ暗になった。
信じたくなくて、受け入れられなくて、ただ俯いて首を横に振っていた。



「彩夏、本当にごめん。俺は最低な男なんだ。だから、俺の事なんか早く忘れて…。」

「何で?何でそんな事言うの?
やっぱり、佐和田教授の娘さんと結婚するの?」


「!?どうして知ってる?誰に聞いたんだ!?」

実は明らかに動揺していた。


私は、そんな実を見たく無くて目を背けた。


瞳を閉じると、涙が零れ落ちて来た。後から後から…止まる事が無かった。



「やっぱり本当なんだね…」


小さな声で呟いた。





< 23 / 403 >

この作品をシェア

pagetop