さよならとその向こう側
明るいイメージで創られた店内。


陽気な音楽が流れ、ピザの焼けるいい匂いが立ち込めている。



そんな中、私達は明らかに様子がおかしい。

気が付けば、店内の人達に注目されているみたいだった。


まだ料理も食べてないけれど、もうここにはいられない。

きっとそう思ったのだろう。

俯いたまま泣き続ける私を見て、実は立ち上がって言った。


「彩夏、場所を変えよう?ちゃんと話すから、そんなに泣かないで……。」



優しく諭されても、私は顔を上げられなかった。

涙が止まらない。

声を出さずに泣き続けるだけで精一杯だった。



そんな私の肩を抱き、実は歩きだした。


そして店員に「すみません。」と謝り店を後にした。


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