さよならとその向こう側


「彩夏のお父さんの事?」

そう口を開いたのは叔母さんだった。



もともと無口な叔父さんは、私達を見守る様な目でこちらを見ていた。

きっと叔母さんが話すのを黙って聞いているつもりなんだろう。



そして、もう一度叔母さんの顔を見ると―――その瞳は優しく私を見ていた。



だからきっと、真実を話してくれるはずだと、確信した。



「…うん。」


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