さよならとその向こう側
「手紙に書いてある通りよ。
……私達は、一生彩夏に話すつもりは無かった事だけど。」
「どうして?こんな大事な事、どうして伝えないつもりだったの?
私の事なのに教えて貰えないなんて…。」
つい感情的になった私を諭す様に、叔母さんは優しい口調で話し始めた。
「お義兄さんはね、彩夏を本当に可愛がってくれてた。
“大事な娘だ“
って、いつも言ってた。
だけど、姉さんはお義兄さんと血の繋がった子供も産みたいって考えてたから、
“二人の子供も作ろう“
って言った事が有ったんだって。
でもね、お義兄さんはそれを拒否した。
“彩夏が、自分だけ家族の中で疎外感を感じたら可哀相だし、自分は彩夏がいてくれれば子供は要らない“
って。」
「…………」
「お義兄さんは、本当の娘以上に彩夏を愛してくれてたの。
私達はそれが何より嬉しかった。
だから、本物の親子以上に親子であろうとしていた、お義兄さんの気持ちを裏切らない様に、彩夏には話さないつもりだった。
彩夏は知らなくていい事だと思った。」
……私達は、一生彩夏に話すつもりは無かった事だけど。」
「どうして?こんな大事な事、どうして伝えないつもりだったの?
私の事なのに教えて貰えないなんて…。」
つい感情的になった私を諭す様に、叔母さんは優しい口調で話し始めた。
「お義兄さんはね、彩夏を本当に可愛がってくれてた。
“大事な娘だ“
って、いつも言ってた。
だけど、姉さんはお義兄さんと血の繋がった子供も産みたいって考えてたから、
“二人の子供も作ろう“
って言った事が有ったんだって。
でもね、お義兄さんはそれを拒否した。
“彩夏が、自分だけ家族の中で疎外感を感じたら可哀相だし、自分は彩夏がいてくれれば子供は要らない“
って。」
「…………」
「お義兄さんは、本当の娘以上に彩夏を愛してくれてたの。
私達はそれが何より嬉しかった。
だから、本物の親子以上に親子であろうとしていた、お義兄さんの気持ちを裏切らない様に、彩夏には話さないつもりだった。
彩夏は知らなくていい事だと思った。」