さよならとその向こう側
「…え?」
「どれだけ心配したと思ってる?助けたはいいけど、全く意識が戻らなくて…。だから自分が入院してる間は、毎日綾の病室に通ったんだ。俺だけじゃない。綾のお母さんだって、日に日に顔色が悪くなっていくし――。」
「ごめんなさい!!」
まさか突然怒り出すなんて考えてなかったから、慌てて頭を下げて謝った。
謝って許して貰える事じゃないかもしれないけど。
私の為にこんな怪我をした敦に、更に沢山心配かけたし。
でも私、あの時……。
「ごめん敦。私のせいでそんな怪我させて。でもね、私あの時、もう死んでも仕方ないって思ったの。だから中々意識が戻らなかったのかも。ううん。意識なんて戻らなくて良かったのかも……。」