さよならとその向こう側

そう、全て俺が悪い。

だからこれは罰なのだと悟った。


末期の肺がんだそうだ。


このところずっと咳が止まらなくて、胸が苦しかった。

こんな俺でも自分の体が心配になって病院に行った。


最悪だよ。



このままじゃ駄目だと毎日感じていた。

多額の借金を抱えても、家族を手放すのは嫌だった。

やっと現実を受け止められて、仕事を探そうとしていた矢先だった。

今になってみれば言い訳にしか聞こえないな。


なんせ、俺はこの先働く事は出来ないからな。


そして、自分が後少しで死ぬのだと考えると、怖くて堪らなかった。

医者には、早く家族に話して入院しろと言われてた。




だが、それでいいのか?



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