さよならとその向こう側
「…叔母さん……。」


泣かないで。


そう言いたいのに、自分が泣き過ぎていて、上手く言葉に出来ない。


すると、今度は叔父さんの手が私の頭を撫で、叔母さんの肩を抱く。


「…この手紙は、彩夏達のアパートから見つかったんだ。」


「……。」


「事件の後、警察が証拠品として保管していた物を渡してくれたんだ。……これは家族が持っているべきだろうと判断してくれてね。」


「どこに有ったの?…私、全然知らなかっ……。」

「…きっと、彩夏は動揺してて気が付かなかったのよ。」



「…え?」


叔母さんの言葉にドキッとした。


それって、つまり、あの場にあった?


……そういう事?




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