幼なじみ〜first love〜

「蒼と別れろって言ったのは…パパと蒼のお母さんが愛し合ってるからだったんだね…」




許さない…汚い…汚すぎるよ…！




自分の為に、娘を犠牲にした。




「裏切り者…！信じてたのに…パパのこと…。なのに…」




「絢音、落ち着きなさい。もう…みずほさんとは…終わったことだ…」




「終わったこと…？落ちつけだって？ふざけないでっ！冷静でいられるわけないでしょ！」




「大声出さないでくれ…ママに聞かれてしまう…」




大人は汚い。いま、心底自分の父親を軽蔑した。




でも、ママが傷つくのは嫌。あたしは口を押さえて、涙を飲み込んだ。




「…メール見たんだから…蒼のお母さんとパパがどうして…？」




「絢音、パパは…ママを愛しているよ」




よくも平然とそんなこと言えるなと思った。




「嘘つき…あんなにママと仲良かったのに…。デートしてたりしたのも、不倫してるからって、ママへの罪滅ぼしのつもりだったわけ！？」




「違うよ…ママを愛してる」




「ママを愛してるなら、何で裏切ったの…？どうして蒼のお母さんと…？」




ママが可哀想だよ……




「…………それは」




パパは目を背けた。




「何とか言ってよぉ…」




パパの腕を掴んで身体を大きく揺さぶった。




「みずほさんは…パパの初恋の人だったんだ…」